甘い予感
We are melting together
COCA-7249

甘い予感 We are melting together ジャケット写真

  His Pride, My Pride
作詞作曲 小室みつ子

水平線−Blue Horizon−

作詞 松本隆 作曲 筒美京平

トワイライト・レッスン

作詞 松本隆 作曲 筒美京平

Love All−はじまり−

作詞作曲 小室みつ子

Bad Thing To Do

作詞作曲 小室みつ子

甘い時間

作詞作曲 小室みつ子

まどろみの朝

作詞 松本隆 作曲 筒美京平

夢追いチャイナ

作詞作曲 小室みつ子

Angel Walk

作詞 松本隆 作曲 筒美京平

ささやきの夜

作詞作曲 小室みつ子

自由に生まれて

作詞作曲 小室みつ子

全編曲 萩田光雄

このページは、フォルさんが、詩を打ち込んでHTMLファイルにしてくれたものです。
私のデビューアルバムです。23歳くらい? どうでもいいや…。とにかく、遅めのデビューでした。今思うと、めちゃ若いんだけど、詩を読むと、なにやら、オトナびたことを書いている。というか、なんとか、オトナぶろうとしているようにも見える。「甘い時間」なんて、こりゃ、赤面ものですぜ、だんな。おいおい、少年をベッドに誘ってる歌やんか…てな感じ(汗)。でも、でもね、そんな体験、ありませんですのよ、実際。ほんとに。信じてちょ−っ(涙)…と、なにをひとりで焦っておるのか。

のちにコバルト文庫で作家デビューした時に、集英社のパーティで、初めてお会いした作家氷室冴子さんに、
「甘い予感、あのアルバム買いましたよ。シングルは、「His Pride My Pride」にするべきだと思いました。あれはよかった」
といわれ、びっくりしたことがありました。でも、すんごく嬉しかったりして…。あの曲は、当時の恋人が連れていってくれた地元の神戸の六甲をイメージして書きました。彼も私も免許を持っていなかったので、あくまで想像の風景ですが。
実際のシングルは、筒美京平さん作曲、松本隆さん作詞という、ゴールデンコンビによって書かれた「Angel Walk」です。著作権の問題がありますので、松本さんの詩は、私がお気に入りの1節のみ、載せています。その代わり、当時のエピソードなど、書いていますんで、読んでください。


His Pride, My Pride
(c)Mitsuko Komuro

港を囲んだ 山の上まで
私を隣に乗せて アクセルふかす
対向車のライトが
時より映す横顔
あなた無理してるわ
長くのびた ライトの二つの光
溶け合ってる
こんなふうに ふたり なりたかったのに
それは哀しい His Pride, My Pride
触れ合ってみても His Pride, My Pride
ガラスのような冷たい音がする

車のバンパー 背もたれにして
港のきらめく灯 遠く見おろす
つけたままの Car-radio
かすかにもれる Strings
あなた 何か言って
知っていても 自分から サヨナラなんて
言いたくない
意地っ張りな ふたり いけなかったのね
それは哀しい His Pride, My Pride
触れ合ってみても His Pride, My Pride
ガラスのような冷たい音がする

それは哀しい His Pride, My Pride
触れ合ってみても His Pride, My Pride
ガラスのような冷たい音がする

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水平線−Blue Horizon−
(c)Takachi Matsumoto

●この曲は、作詞が松本隆さんなので、詩を載せることができません。1節のみ載せます。

心なんて コントロール出来るって
あなたに逢う前の日まで信じてた
人の前で取り乱して泣くなんて
昔からの友だちなら驚くかもね

というような導入部です。
内向的な女の子が別れの決心をして彼に会いに行く心模様。健気な詩です。

デビューが決まったとき、松本さんと筒美京平さんを紹介されました。新人の私の曲よりも、この大物ふたりの作家に頼んだほうが、成功も近いだろうと、プロデューサーが決めたこと。松本さんは学生の頃から、尊敬する作詞家さんでした(特に太田裕美さんに書かれた数々の名作は私にかなり影響を与えてくれた)。筒美さんにいたっては、天界の人…。緊張しましたが、おふたりとも優しい方でした。
松本さんとは、映画の話で盛り上がったのを覚えています。そして、私を見て書いてくれたのが、この曲の他に3曲。
詩に描かれている若い女性…松本さんは私をこんなふうに見たんだなあと思い、赤面したりしました。内向的ではあるけれど、松本さんの書く女性は、どこか、あかぬけている。別な言い方をすれば、都会的というか…。今となっては、東京で暮らすことに慣れた私ですが、あの頃も今も、私の芯の部分にあるのは、もっとカントリーな感情です(うまく言えないけど、田舎町の風景や自然が心にしっかりと根付いているというか)。そして、もう少し、男性的なところもある。

といろいろ感じましたが、憧れていた作詞家に書いていただけてとても光栄でした。後々、不思議なところで、松本さんと再会しました。それは、甲州街道の路上。
私はバイクの免許を取ったばかりで、SR250というアメリカンタイプのバイクに乗って走っていたのですが、信号待ちをしていると、横に止まったバイクから「小室さん!」という声が聞こえた。…??? 私はその人のフルフェイスのシールド越しにじっと、目を見つめ返しました。「松本ですよ」と、彼は笑う。「松本…え!? 松本隆さん!?」 ロードタイプのバイクがぴったキマってました。同じぐらいの時期にバイクにハマッたらしいです。お互いちょっとだけ会話して、その場で別な方向にそれぞれ走っていきましたが。

どうしても自分自身で曲や詩を書いていきたい。または、自分で選びたいという、ナマイキな気持ちから、コラボレーションはファースト・アルバムだけでしたが。ちょっとでも、大作家の方の作詞法、作曲法を学ばせてもらえて、ラッキーなデビューでした。松本さん、元気かな。

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トワイライト・レッスン
(c)Takashi Matsumoto

●この曲は、作詞が松本隆さんなので、詩を載せることができません。1節のみ載せます。

街角の 映画館の
暗闇の 椅子に紛れ
泣かせてね 五分泣けば
いつもの 私に戻る
それは 夕暮れた心の
孤独な レッスン

わたしより、女心がわかる…。今の私には、こんな、いじらしさなど、残っていないような…。でも、この一節が好きです。

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Love All−はじまり−
(c)Mitsuko Komuro

ささやきは この耳に
ほほえみは この目に 与えられてる
それだけで あなたの優しさ感じる
だから 何も言わないで

ワイングラスおいて うつむきながら
この店は君とが 初めてじゃないと
そっと話しだす きっかけを
さがしているあなた

いいの 男と女は いつでも
優しい 秘密もつものよ

今だから言える 愛した人は
あなただけじゃなかった そうよ私も
今もこの胸に残された
傷跡 隠せない

だけど信じて すべてが始まり
ふたりの過去を 埋め合える

初めての人よりも 最後の人でいて

あなた信じて すべてが始まり
ふたりの過去を 埋め合える

あなた信じて すべてが始まり
ふたりの過去を 埋め合える

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Bad Thing To Do
(c)Mitsuko Komuro

もう一度 100年後の 同じ時代に
生まれ変わって 何も気にせず
愛し合いたい
この世界 許されぬ
Loving you is the・・・・・・
Loving you is the bad thing to do (あなたを愛する事はいけないこと)

見つめ合うことさえも 罪になりそな
人知れず 哀しい 視線からむの
いつわりは流されて
Loving you is the・・・・・・
Loving you is the bad thing to do

Can I telephone you? (電話していい?)
Oh, Can I write to you? (手紙を書いていい?)
Can I meet you? (会ってもいいかな)
Oh, Can I love you? (愛してもいいかな…)
あなたの声が聞きたい

それとも 罪を分け合い たった一夜を
過ごせたら あなたと私
落ちてゆく鳥
秘やかに燃えさせて
Loving you is the・・・・・・
Loving you is the bad thing to do

※Can I telephone you?
 Oh, Can I write to you?
 Can I meet you?
 Oh, Can I love you?
 あなたの声が聞きたい・・・

※refrain

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甘い時間
(c)Mitsuko Komuro

はにかんだ少年が
夢遊病者の足どりで
私の部屋にしのびこむ
もの憂い夏の昼下がり
見返す瞳で 気づいたわ
You are serious aren't you? (本気なのね)

「そこで何しているの?」
ちょっと いじめてみたくなる
「僕のハトが逃げ込んだ・・・・・・」
答えはヘタなジョークだけ
そよいだカーテン ときめかす
ひとときのパズル

クスクス笑って
甘い予感
Let's talk in the bed darling (ベッドの中で語らいましょう)
We are melting together (一緒に溶けていくの)

「優しい」という言葉
口にするのを嫌うのは
あなたまだまだ 若いから
ほら また 何か言いたそう
始まる いつもの discussion (議論)
You are ticklish, aren't you? (くすぐったくない?)

もう一度 笑って
甘い時間
Let's talk in the bed darling
We are melting together

Let's talk in the bed darling
We are melting together
We are melting together

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まどろみの朝
(c)Takashi Matsumoto

●この曲は、作詞が松本隆さんなので、詩を載せることができません。1節のみ載せます。

とても普通の 女の子だよ
Kissのしかたも慣れてないもの
心の影に磁石があって
理屈じゃなしに 引き合う
まるで 世界のいい夢みんな
ひとりじめして まどろむような寝顔だね

この一節に、松本さんの小室みつ子(デビュー前)像があるのかなあ…なんて考えてしまいます。思い出すと、照れくさいが、嬉しくもある。「Kiss のし方も慣れてないなんて」……えっへっへっへ…(* ̄ー ̄*) …なんて反応する私は、ああ、時の残酷さであるよのー。
あえて、男の側から書いた詩を私に歌わせるところも、松本さんらしい。ストーリーがあって、風景があって、心情にあった小物、エピソードが盛り込まれ、ぐっと来る。詩の書き方の王道です。今でもとてもても尊敬しています。

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夢追いチャイナ
(c)Mitsuko Komuro

異国に生まれ育った
天涯孤独な身の上
海をひとつ渡れば
まだ見ぬふる里 島国

いつか船で帰るのと
流れ流れて ホンコン・ベイ
故郷の人に出逢っても
言葉わからぬ異国人(ひと)

私はチャイニーズ 哀しいチャイニーズ
夢をはこんでゆくのよ
私はチャイニーズ 哀しいチャイニーズ
夢と暮らしてゆくのよ

昔戦いあって
とうさまかあさま泣く泣く
私ひとり残して
帰っていったの 島国

港に立ち寄るマドロスに
ひと夜かぎりの 夢物語
語って聞かす 枕ごし
あなたもやっぱり 異国人(ひと)

私はチャイニーズ 哀しいチャイニーズ
夢をはこんでゆくのよ
私はチャイニーズ 哀しいチャイニーズ
夢と暮らしてゆくのよ

異国に生まれ育った
天涯孤独な身の上
海をひとつ渡れば
まだ見ぬふる里 島国

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Angel Walk
(c)Takashi Matsumoto

●この曲は、作詞が松本隆さんなので、詩を載せることができません。1節のみ載せます。

しばらくね 元気そうだわ
ぼくは 気のない返事
そして 天使のお通りさ
気まずい空気が 流れてくだって だって だって だって
君に振られた男だぜ
だって だって だって だって
今さら仲良しのふりは出来ない

この曲も、男側から歌った歌なのですね。…忘れていた。なにやら、倒錯的な感じ。この曲こそが、私のデビューシングルでした。よくラジオで、宣伝してて「だって〜だってだってだって〜」てのが流れていて、聞くたびに落ち着かなかった。
天使が通る=きまずい沈黙が流れるという、フランス語の表現から取られたタイトル。この曲を聞くと…デビュー時担当のプロデューサーは、アイドル路線とまではいかなくても(つーか、すでに年齢的に上過ぎたけど)、その頃の主流だった路線のシンガーをやらせたかったのかもしれないって思います。それに反抗して、2枚目のアルバムの打ち合わせで泣いて抗議した私は、かわいくないアーティスト(?)でした。それで、担当プロデューサーが降りた(^^;;; 私の頑なさに怒ったみたい…。
でも、自分らしくない売られ方してたら、きっと一生後悔したでしょう。今の、なんとも情けない状態ではあっても、自分らしくいられる自由さが、私は好きです。作詞は、ある意味職人として、オーダー通り、プロデューサーの意図通りの作品を提出するのが、喜びになるけれど、自分だけのことに関しては頑迷な私です…。こんな私をコントロールできたのは、アルバム「見知らぬ恋人」以降、ずっと一緒にやってきた吉岡氏だけかもしれません。
スタッフのみなさま、迷惑ばかりかけてごめんなさい(今ごろ謝ってもしょうがないが)。

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ささやきの夜
(c)Mitsuko Komuro

Night comes again
つぶやきの夜がまた・・・・・・
この部屋に時がなくなり
想いは闇を抜けて飛びたつ
Night comes again
あなただけの夜(Night comes again)
私だけの夜 (Night comes again)
喜びも悲しみも
きれいに流れる 心の外へ

Night comes again
ささやきの夜がまた・・・・・・
ふとんのぬくもりが優しく
しみとおった涙をかわす
Night comes again
ひとりぼっちの夜(Night comes again)
ふたりぼっちの夜(Night comes again)
ため息もささやきも
静かに流れる Milky Way へ

※Night comes again・・・・・・
 Night comes again・・・・・・

※refrain

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自由に生まれて
(c)Mitsuko Komuro

さよならは言わずにいてね
僕らふたりこれから
友だち同志になるだけさ
新しい始まりがある
たたみかけるような
冬の寒さが過ぎたあと
初めてほほえみみせたね

You were born to be free
今はただ 自由な
You were born to be free
おまえの姿 みていよう

雪が降るといつでも
赤く染まってた
おまえの小さな耳たぶが
とても好きだったよ
いつかもっと広く
違う世界をみつけると
僕にはわかっていたんだ

You were born to be free
今はただ 自由に
You were born to be free
飛びたつおまえ 見送ろう

You were born to be free
You were born to be free・・・・・・

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