Trouble In Heaven
(c) Mitsuko Komuro


生まれたばかりの せつない恋なら いとしいフリをして
なくしたばかりの みじめな恋なら 忘れたフリをして

破れたジャケット さびれたスタンド こわれたシャンペングラス
ひしゃげた三日月 くしゃくしゃのポスター 憂鬱なブルース

孤独のドレスを 脱がせてあげるよ
不思議な気分に 今すぐなれるのさ

体の距離なら 激しい近さで 抱きしめ合えばいい
心の距離なら 少しは離れているほうがいいのさ

誰かが誰かを 愛して別れる
無邪気な涙を 汚されたくはない
にじんだ瞳には 何を映す
一瞬それよりも 永遠の恋

NANANANA NANANA NANANA Trouble In Heaven
お前が泣くといつもびしょぬれさ
(This is the rainy paradise) (これが雨のパラダイス)

真夜中すぎたら 裸足で刻んだ リズムで踊ろうよ
20才を過ぎたら 裸の自分の 流儀で 踊ろうよ

約束どおりの Kissには おちるな
他人のペースで 生きてちゃ ダメなのさ

仮面をはずしなよ 素顔のままで
時計をはずしなよ 運命の時

NANANANA NANANA NANANA Trouble In Heaven
女神が噂たてるロマンスも
(It is the lucky number) (ラッキーナンバーさ)
NANANANA NANANA NANANA Trouble In Heaven
お前が泣くとラストは決まりさ
(It is the lucky number)

にじんだ瞳には 何を映す
一瞬それよりも 永遠の恋

NANANANA NANANA NANANA Trouble In Heaven
妖精達が集う天国も
(This is the rainy paradise)
 
NANANANA NANANA NANANA Trouble In Heaven
お前が泣くといつもどしゃぶりさ
(This is the rainy paradise)

NANANANA NANANA NANANA NANANANANA

作詞 小室みつ子
作曲 石井妥師


 ウツ(宇都宮隆さん)の初めてのソロアルバム。「Butterfly」。うーん、懐かしいですねー。しかし、ほとんど自分で書いた歌詞を忘れていて、「ほおー」と、まるで他人の歌詞みたいに読み返してしまいました(おいおい)。今より、もしかしたら、ボキャブラリーというか、言葉の選び方がのびのびとしてるかも…(汗)

ウツの魅力はいろいろあります。昔はあんまりしゃべらなかったから、寡黙であること自体にウツの主張がある感じでした。潔さも感じる。男っぽいのに、普段話していると、ソフトでなんか色っぽい(ここが女性ファンを夢中にさせるところか?? 雑な私にはわからない部分…)。んで、独特な笑いのセンスがある。おおざっぱでボケな私はよくからかわれました。今でもだけど。あと、たまに誰かのことを一言で言い表す時、びっくりするような鋭さと観察眼に驚かされるとともに、恐怖を感じることもあります(…あまりに的確で毎回大笑いしちゃうんだけどね)。

あといい意味での冷徹さがある。(今だから告白できるけど) TMN にリニューアルした頃の REC中の時でした……個人的に煮詰まっていて、ダメな自分と向き合っていたことがありました…。たまたまウツと電話してたとき、ふと「もう、自信ないよ…。今回の作詞、遣り遂げられないかも…やめたいな…なんて思うことある」って、つい友人として、愚痴こぼしたら、ひとこと、そっけなく「じゃあ、書くのやめれば?」って言われて「うっ」とつまったことがあります…。突き放されたようで、"愚痴なんて言わずにとにかくやれよ"って励まされたような気もしたけど、しばらくまた落ち込んでいた(^^;;; しかし、「やめれば?」と言われると、やっぱり途中で投げ出すことが出来なくなる。責任をまっとうできないのは恥ずかしいし…。結局、よーし意地でもやるぜってなった。その時の作詞を遣り遂げられたのは、ウツの一言のお陰かな。あの一言は、今でも感謝してる ―― って、最近ウツに言ったら、「僕、そんなこと言ったっけ??」ってきょとんとしてた(笑) 優しいけど、鋭い、醒めた視点も持ってるけど寡黙な情熱がある ―― ウツに書く時はそういう歌詞を心がけていたような気がします。

孤独のドレスを 脱がせてあげるよ
不思議な気分に 今すぐなれるのさ
体の距離なら 激しい近さで 抱きしめ合えばいい
心の距離なら 少しは離れているほうがいいのさ

ここらへんに、私から見たウツのイメージってのが、こめられているかなあ。でも、歌詞って普段言葉にできないロマンチックな言いまわしが使えますね。歌だと言えたりする。実際目の前で男の人に「孤独のドレスを脱がしてあげるよ」って言われたら、私、照れくさくて逃げ出すか、笑っちゃうかも…(って、私に問題があるのか…)。…えー、とにかく、最近はおしゃべりになったけど、心の内側に何かを秘めたウツは、未だミステリアスです。それが魅力ですね。

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1994
(c) Mitsuko Komuro


突然の稲妻に引き裂かれ
岸辺に打ち上げられた 難破船
僕達は別々の道 歩き出した Go away (行ってくれ)

雨の日も寒い夜も 乗り越えて
隣に君を感じて 生きてきた
人混みに紛れていると 泣きたくなる Lonely night (ひとりの夜)

1994
流れゆく雲が 形 変えてく様に
Your dreams come true (君の夢たちが叶うよ)
愛は少しずつ 君を 変えてゆくよ My love

羊草 日を浴びて なびいてる
あの日から10年が 過ぎ去った
悲しみも憎しみさえも 愛しくなる Holy night (聖なる夜)

1994
迎えに行くから 君よ あきらめないで
You can't close your eyes (君は目を閉じることができない)
奇跡を起こすよ いつか この時まで Shinin' day (輝く日

1994
僕らは海より 深く 愛し合っていたよ
Your dreames come true
もう一度夢を 君に 見せてあげる
1994
奇跡を起こすよ いつか その時まで Forever

作詞 小室みつ子
作曲 土橋安騎夫


「1994」 … 去年だったか、TM ファンの男の子に、間接的に質問を受けました。「1994」は、TMN の終了を暗示した歌だったのか? と…。確かにこのアルバムは1993年発売。1994年に TMN が終了したし、歌詞を読むと、本当に暗示的な内容ですね…。しかし…… 覚えがないんです〜(T_T) もういろんな記憶回路が切れてて、お恥ずかしい。TM の「CAROL」で、「Still Love Her」のコーラス参加してることも、最近ファンの方のメールで思い出したくらいです(恥) もしかしたら、スタッフにそういう情報を伝えられて、個人的な意味をこめた可能性も無きにしもあらずです…と、なんともはっきりせず、がっかりさせるような回答ばかりで申し訳ない…。

しかし、ウツのソロの作詞を頼まれたとき、一番悩んだのは、TM との区別化です。TM のヴォーカリストのウツと、ソロのヴォーカリストのウツとの、違いを出さなくては……と、かなり悩みました。…正直言えば、私の歌詞は、それに関してはそれほど成功していない気もします。女の子へ提供する歌詞は、わりと歌う人の個性に合わせて、いろいろなタイプが書けそうな気がするんだけど、友人として知っているゆえか、TM として見続けていたゆえか、ウツは逆に難しいなあ。でも、単発での作詞より、ひとりのシンガー、ひとつのユニットと、じっくりアルバム全体のテーマや、その人の個性を理解しつつ参加するプロジェクトは、遣り甲斐がありますね。

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SAYONARA
(c) Mitsuko Komuro


爪に浮かんだ 不確かなハピネス
心離れて 身体も離れて
古いシャツのボタンをつけかえながら
新しい恋も探したけれど

Oh baby 見えない運命のまま 流されてく
ふたり追いかけた夢の続き 果たせない

Do you remember? (覚えているかい)
あの日銀色の雨 振り向く君を濡らした
Do you remember
いつか銀色の雨 全ての夜を濡らした

数え切れない 争った日々も
背伸びしていた 若さが切ない
泣き出しそうな 悲しい瞳に
痩せすぎた頬にKissを贈るよ

Oh baby 君を連れ出していった あの場所まで
星に導かれるまま車 走らせる

I need your love (君が必要なんだ)
胸にあふれてくる かけがえのない微笑み
I need your love (君の愛情も必要なんだ)
誰を傷つけても 忘れたくない激しさ

今すぐ君に会いたい
もう二度と愛することを 僕はためらわない

Oh baby 独りくじけそうな時も 眠れぬ夜も
君の力になりたい気持ち 変わらない

Do you remember
あの日銀色の雨 振り向く君を濡らした
Do you remember
いつか銀色の雨 全ての夜を濡らした

I need your love
胸にあふれてくる かけがえのない微笑み
I need your love
なつかしむことより 取り戻すために生きたい

I can't say good bye (さよならなんて言えないよ)
Yes I need your love
I can't say good bye......(SAYONARA)

I can't say good bye
Yes I need your love
I can't say good bye......(SAYONARA)

I can't say good bye
Yes I need your love
I can't say good bye......(SAYONARA)

I can't say good bye
Yes I need your love
I can't say good bye......(SAYONARA)

作詞 小室みつ子
作曲 石井妥師


 どうも、私はウツの作詞を頼まれると、失恋の歌を書きたくなる傾向にある気がします。二枚目の男の人が、心を打ち砕かれて切々とするのが、好き? ……今度ゆっくり自己分析しようっと。歌詞については、特に内容的に補足することもないので、ウツとの思い出話でも書こうかなあ。

TM の3人と知り合って、作詞を始めて、いつのまにか長い付き合いになりました。しかし、3人とも、そして私もだけど、人見知りが強いです。仲間として気軽に馴染めるようになるまで、かなりの時間が必要でした。一番人見知りが激しいのがウツ。だけど、一番早く馴染めたのは、私の場合はウツだったかも。それは単に、海外RECの時に、ヒマな時間が一致してたのと、買い物とかがふたりとも好きだったからかもしれないです。よく、ロンドンやNYやLAでは、ウツと買い物に出かけてました(私は通訳で駆り出されただけってのも多かったけど)。あの頃から、「いつもぼーっとしてて、人の話を聞いてない」って呆れられてたなあ…。その頃の写真とか見ると、ウツがあまりにかわいいのでびっくりします。やんちゃな男の子の顔してLA の路上で素で笑っている…。私もあの頃は若かった…(涙)

そういえば、ふたりとも一時期時計にハマっていて、アート性のある一品しかない時計を争ったこともあった(^^;;; (私が負けて、ウツがゲット)。でも、唯一合わなかったのが、食事! ウツの苦手な食べ物が、私の大好きな食べ物だったりして…。ロンドンでは、ある日どうしてもピザが食べたくて(ウツはチーズがだめ)、昼食を一緒にする約束だったのに、ウツにキャンセル電話入れて、こっそりスタッフとピザ屋さんに行ってしまったひどいヤツ(と、後でバレて言われた)です。だって、今でも思い出すくらい、とびきりのピザ屋さんだったのだ。しかし、一番びっくりしたのは、LAでタイ料理に行った時、食べた途端、ダメな香辛料が入っていたらしく、ウツの顔に見る間にジンマシンが出た時。みんなびっくり&大慌てでした。しかし、昔のことだ…。あの頃お互い、若かったね〜…なんてね。そして、歌詞とは、思いきりはずれっぱなしのコメントでした(^^;;; すんません。

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