We Are Starting Over
(c) Mitsuko Komuro



懐かしい街角 窓の向こう
近づいてきたよ
バス停に立った 君の姿
あざやかに 浮かぶ
男の子みたいに 髪を切ったね
だけど まなざしは 変わらない

どんな顔して君に 伝えよう
I've just come back to you
(君に戻ってきたよ)
ふたり 2年前に誓った約束さ
We are starting over
(もう一度やりなおそう)
あの日 それぞれ選んだ あしたを試して
君の場所に 戻ってきた

ゆずれないままに この街出た
わがままな僕と
ほんとの気持ちを 見せないまま
見送った君が
言葉に出さずに 交わしたものは
決して サヨナラじゃなかった

バスを降りて 無口に向かい合う
I've just come back to you
少し とがめるよな微笑み 胸しみる
We are starting over
君は 何度泣いただろう 怒っていたかな
さあ もう一度 出会いなおそう
はじめから…

作詞 小室みつ子
作曲 木根尚登
編曲 小室哲哉


10月末日フリーダウンロードサービスで配信されたTMの新曲です。といっても、これは、1999年に木根ちゃんのソロライブのテーマ用に書いた曲でした。ただ、「ウツが歌ってもいいような感じに書いてね」と木根ちゃんから言われていました。TM のアルバムに入れるかどうか、その時点ではわからなかったんだけど。木根ちゃんらしい美しいメロディライン、大好きな曲です。だから、TMの新曲になってよかったです。でも、木根ちゃんヴァージョンも、作ってもらいたいですけど。
ファンの方には、「Nights of The Knife」のアンサーソングですかって、尋ねてくる人が何人かいましたが。「Nights …」に出てくる男性と女性の関係性は、いろんなことに立ち向かったり、いどんだりしつつも、悩んだり迷ったりする彼を、離れることなく、いつもそばにいてみつめている大人の彼女……という感じです。でもこの歌詞の女性は、私の中では、どちらかというと、「Girlfriend」「Time Passed MeBy」の歌詞の中にいた女の子が成長した姿が、見えていました。
勝手にストーリーを作ってしまえば、幼馴染みのふたりがいて、女の子は子供の頃から男の子と一緒に遊んで走って、泣いたり笑ったり、はりあったりする、強がりで弱音を吐かない芯のある女の子。でも、成長するにしたがって、自分だけの世界を作り上げていて、そばで見ている男の子は、戸惑ったりしながらも、彼女をある種の「同士」みたいな友情と、恋心がまじった気持ちを抱えながら、変わって行く彼女をみつめてる。そしていつかホンモノの恋になって…。でも、互いに成長すると、男の子が自分だけの追いかけたいものをみつけて、育った町を出ていく。決して涙を見せず、ほとんど自分の気持ちを語らずに見送る彼女…。彼女には彼女の夢が別にあったから…。ふたりはそれぞれのあしたと自由を選んでく…。――というような10数年くらいにわたるストーリーが、ぼんやりと私の心の中にあって、こんな歌詞が出てきました。…と、ここまで書いてなんですが、このストーリーは、私の心の中だけのもので、聴く人たち、それぞれに、想像してもらえばいいんです。歌詞は、物語の中のひとつのシーンでしかないので…。

 

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